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2021年8月収穫直前の香月ワインズへ

蒸せかえるような暑さが続く8月です。

 

夏の太陽が顔を出すとカンカン照りなんですが、ふと油断すると突然の雨にやられる。

 

風は気持ちよい時もありますが、時にたっぷりの湿気を連れて息苦しさもあります。

 

今日も香月ワインズへ出発する際にはパラリと降りましたが、何とか天気は持ってくれました。

 

メルロの畑の横にある手作りピザ窯が古代遺跡のような存在感を出してきてます^^

 

 

畑の入口には大きなシソの群生が!?

 

あれ?

 

こんなのあったかな?

 

と思ったら

 

左のハウスのとこに生えてたのを移したら種が増えてこんなに茂ってしまったのだとか^^

 

相変わらず生命力に満ち溢れた畑です。

メルロ・今年も順調

今や香月ワインズの赤ワインの主力品種となったメルロ。

 

毎年その品質、収量ともに香月ワインズの赤ワインを支え続けている品種。

 

まだ青みがある粒もありますが、今年も実りは順調そうです。

 

一粒いただいてみましたが、糖度もしっかりあり(まだ16度ほどとのこと、22度くらいまでは上げたい予定)、皮ぎしの旨味、タンニンもじんわり感じることができました。

 

収穫は今月末くらいを予定してるとのことでした。

白ワイン用葡萄主力ハウスでは

ゲヴェルツトラミナーがむっちりと

香月ワインズでじわじわと勢力を伸ばしている品種・ゲヴェルツトラミナー。

 

この品種から造られるワインにはライチにも似た官能的なアロマを持つことでも知られる人気の品種です。

 

数年前から香月ワインズの畑との相性の良さに気づき徐々に増えていっている品種の一つです。

 

こういう香り豊かな品種が出来たワインに表情を与えるかが楽しみです。

 

ピノグリも問題なく色付いてます

数年前、実が出来始めは、びっしり実が付き過ぎて割れるものもあって心配な品種でしたが、今は上手くならせることができるようになったようで、しっかり色付いて良い感じに実ってました。

 

ピノグリは白ワイン用の品種ですが、ご覧のように皮に色がついているので、果汁を絞るとわずかに皮の色素が果汁に移って、

 

ピノグリから造られるワインは薄いピンク色を帯びた白ワインになります。

 

香月ワインズのオレンジワインの色調にも影響ある品種になるはずです。

 

一粒いただきましたが、とても瑞々しく柔らかい甘味でした。

 

シャルドネは完璧な美しさを感じる出来でした

こちらも白ワイン部門で香月ワインズを初年度から支え続けてきたシャルドネ。

 

フランスでは収穫期のブルゴーニュ地方で、黄金色に完熟したシャルドネが実るなだらかな丘の畑をコート ドール(黄金の丘)と呼びますが、

真っ金金とまでは行かないまでも熟度が進んだ良い色味をしてました。

 

しかも実の生り方がなんか堂々として美しい。

 

ちょっと気になったのが、ゲヴェルツやピノグリの方より、シャルドネの方の畑が薄暗いことです。

 

どうやら意図的に葉を多めに茂らせて光合成を活発化させているみたいです。

 

葉が密集すると湿度がこもって病気になりやすいリスクがあるのに、

 

良い葡萄を造るほうにチャレンジしてるなんてすごいなと感じます。

 

香月さんは「葉をちょっと増やしました」としか言いませんでしたが、

 

きっと病気にならないように小まめに畑に入ってケアをしてるのでしょうね。

 

これも一粒いただきました。

 

熟度が進んでいるだけあって酸はしっかり感じるのに

 

とてもまろやかで豊かな甘味がありました。

爽やか系品種・ソーヴィニオンブラン

こちらもじわじわ存在感を増してるソーヴィニオンブラン。

造られるワインは夏草やハーブの特徴を持つことが多い品種です。

 

これもワインにアクセントを与える品種の一つになりますね。

 

一粒いただきました。

 

とても瑞々しく爽やかな酸味がありました。

第二ハウスのテロワールの適正品種

ドイツの赤ワイン用品種:レゲント

香月ワインズの白ワイン用ハウスの奥にもう1棟ハウスがあります。

 

個人的にはこのハウスは生育に失敗する品種を初年度から多く見てきたので、

 

勝手に「魔のハウス」と名付けてます(香月さんには内緒)。

 

心なしか湿度も高く感じます。

 

一番の大失敗と記憶しているドイツの赤ワイン用品種ドルンフェルダーです。

 

今はこのハウスには無くワイナリー横の新しい畑に植え替えたところ、問題なく生育しているとのことでした。ヨカッタ!!

 

「魔のハウス」の猛威は今年も健在でした!(こんな写真アップしたら怒られるかもだけど)

 

レゲントの横の列に植えられているシャルドネは、がっつりうどん粉病にかかってしまったらしく房の実はところどころ腐っていました。もうここから回復することはなく、ほとんど使えないとのことでした。

 

あんなに隣のハウスでは立派に育ったシャルドネもやられてしまうとは!!

 

逆に言えば、真横の列で問題なく病気にもならずすくすく育つレゲントがいかにこのハウスに適してるというのが分かります。

 

香月さんもここはレゲントにしていこうって言ってました。

「魔のハウス」は多国籍軍

ドイツの葡萄品種を育ててる「魔のハウス」ですが、それ以外にもなんとイタリア品種も育てております。

 

一番左がネッビオーロ、北イタリアの伝統的な赤ワイン「バローロ」や「バルバレスコ」の主要品種です。

 

次がネッビオーロ、同じく北イタリアで良く栽培される赤ワイン用品種で、心地よい酸が魅力のワインになります。

食べてみると昼夜の寒暖差の少ない宮崎の畑でもとても良質な酸をもった葡萄ができてました!

 

この辺が量が出来るようになったら香月ワインの赤ワインは劇的に変化するだろうなと密かに思っちゃったりして!

 

 

 

最後の品種は国産食用葡萄の「ふじみのり」

 

正直笑ってしまいました。

 

勝手に名付けた「魔のハウス」内でヨーロッパ勢が苦戦する中、

 

「何か問題でも?」

 

と言わんばかりに見事な房を付けてる

 

太々しくもあるその御姿には、

 

生粋の国産のエリートの血筋を見ました^^

 

さすがにこの国の葡萄だな

ちょっと心配なのが、今日できた台風です!

 

発達途中の熱帯低気圧と

出来たばかりの台風が

見事にこちらに向かって来てます。

 

最近の台風は近くで出来るので

到着までが早い!

 

いろいろ心配ですが、

香月ワインズに関して言えば、

収穫がまだ終わってないことが

かなりの不安要素ですね。

 

メルロの畑以外は比較的頑丈なハウスなので大丈夫とのことですが、

 

メルロのハウスは屋根の骨組みが弱いので、ビニールを剥がないと風で潰れて葡萄の樹が折れる危険があるみたい。

 

でもビニール剥ぐと風で収穫前の葡萄が飛ばされて落ちる可能性があるとのこと。

 

かなり良くない事態です。

 

今は進路がそれることを祈るのみ

髭がまた茂ってた

相変わらず立派なおひげの香月さんでした。

 

葡萄の話になるとホントに楽しそうに話される姿がいつも印象的です。

 

今は無事収穫を完了出来ることをただただ祈ります。

 

 

そう言えば、ワイナリーで出荷まで

寝かせている2020年ヴィンテージの

オレンジワイン「2020綾ロランジェ」

のリリースが10月とのことでした!

 

どんな感じに仕上がっているのか

秋が楽しみです。